残念ですがプロジェクトK打ち切ることになりました。
リアルタイムでK君の勉強の進捗を報告し彼が目標達成・歓喜するところを皆様と共有していただこうという企画だったのですが、勉強時間の確保、勉強の習慣化という最初の最初のところからなかなか先に進まなかったのです。
この問題は塾に通ってくる生徒さん全般に共通する問題点で、以前’やめていく塾生さん’でも塾としての方法論が必要と書いていました。
結局のところ生徒が勉強しないのは彼らのモチベーションが上がらないことが原因なのですが、そういうことはこちらで指摘しなくても本人も親もよくわかっている話で問題はどうやってモチベーションを上げるかということです。
モチベーション、動機付けって何だろうということをこれまでのうまくいかなかった指導から分析して心理学的な解析を塾の方では取り組みを始めています。
動機付けにも理屈があって、やりたい・達成したいという思いとやれそうという気持ちの掛け算が動機になるようです。
K君がどうしてやる気が今一つ上がらないか、動機付けがなぜできないかを検討しました。
当初はやれそうという気持ちに問題があるのではないかと考え勉強のハードルを下げていきました。これは学校の授業が面白くない生徒さんの場合によくあてはまるのですが、現在やっている授業が本人が理解している段階より進み過ぎていると、これ宿題だから明日までにやってきて、っていう先生的には簡単と考えている宿題が生徒にとっては難しすぎるというやつです。こういう場合勉強する単元のレベルを下げる、つまり少し前の単元から始めていくとできるのでモチベーションが上がるはずです。
K君はどんどんさかのぼってできるはずというところから復習をスタートしました。本人的にはちょうどわかるレベルのところのはずなのですが、なかなか勉強に身が入らない状態が続きました。身が入らないというのはあまり科学的な言い方ではないのですが、見ているとどうも塾で達成した単元の復習時間が足らず定着がうまくいかない状態が続きました。
坪田塾の中野先生に相談したのですが、どうやらやっている単元の問題ではなく、つまりやれそう感の問題ではないのではないのではなく、やりたい、達成したい気持ちの問題の可能性を考えさらに詳しく聞き取りをしてみました。
どうやら彼が将来的にしたいと考えている仕事は大学に無理していかなくてもできて、可能であれば大学に行きたい程度の意識であるということでした。
そこで話し合いです。
どのくらい大学に行くことが彼の将来目指す職業に必要であるか、を本人に考えてもらいました。どうやら大学に行くことで有利である、例えば出世が早いなどの利点はあるのですが、できれば行きたいくらいの気持ちであることが分かりました。分かったのは本人を含めてで、K君自身もそこまで深く考えていなかったようです。
それなら後はどうするか。
K君本人がどのくらい強く大学に行った方がいい、と考えるかを彼自身に考えてもらいました。結論から言うとそこまで大学に行く強い情熱を持てなさそうという彼の気持ちが分かりました。
どうやら最初の目標を立てるところがずれていたようでした。
本人や保護者とも相談しいったん計画は打ち切ることにしようという結論になりました。
残念な結果になったのですが、いろいろ教訓を残してくれた経験になりました。